RURAL DEVELOPMENT農村開発

課題認識

農村開発は多面的な課題が交錯するセクターです。地球規模の課題である気候変動・人口増加 、感染症まん延は、地域社会の経済・社会活動に大きなインパクトをもたらします。特に農業は、多くの途上国において主幹産業であり、その影響をもっとも受けやすく、国際社会、国、地域社会による多層的な対応が必要です。一方で、経済発展にともなう中間所得層の増加により、途上国の農業にはビジネスポテンシャルも生まれています。

IDCJの強み

IDCJはこれまで、農村開発分野において、政策立案からコミュニティ支援まで途上国のニーズに応える業務に携わってきました。上流から下流まで、特にソフト分野において、幅広いサービスを提供できることがIDCJの強みです。農業政策・計画立案、政策モニタリング、農業統計システムの構築、住民主導の農村開発、女性の経済的エンパワーメント・ジェンダー主流化、市場志向型農業振興(SHEP)、フードバリューチェーン(FVC)構築、日本の民間企業・地方自治体の途上国進出、COVID-19拡大や気候変動に対するレジリエンス強化など、多様なテーマで豊富な業務実績があります。また、グループ法人に「株式会社国際農業開発」を有し、農業分野の国際協力・国際交流に関する人材育成も視野に入れています。 

主な実績

タンザニア国「SHEPアプローチを活用した農業振興プロジェクトフェーズ2」(JICA委託) 

タンザニアの農業セクターは、GDPの28%を占める基幹産業であり、約65%の雇用を創出しています。農業省は「ビジネスとしての農業」を促進し、特に普及サービスの充実により、小規模農家の所得向上を実現することに重点を置いています。

本プロジェクトは、2019年~2024年まで約6年間、SHEP(Smallholder Empowerment and Promotion)のタンザニアでの実証を行ったフェーズ2に当たります。フェーズ1では、対象12県で小規模農家の園芸所得が45%~69%向上し、同国での「市場調査に基づくビジネスとしての農業生産」の効果が実証されました。

フェーズ2は、タンザニア政府がSHEPを全国各県に通常普及サービスとして展開する土台を築く活動を支援します。本プロジェクト終了後も、政府が自律的にSHEPを普及サービスとして「ふつう化」していくことを目指します。

農家による市場でのニーズ調査

アジア地域「ASEAN-JICAフードバリューチェーン開発支援に係る情報収集・確認調査」(JICA委託)

ASEAN地域では、経済成長にともなう各国中間層の増加がけん引する形で、近年、食の安全及び高付加価値食品への関心・ニーズが急速に高まっています。一方で、不適切な利益の再配分や脆弱なフードバリューチェーン(FVC)といった課題は解決されず、いまだ貧困ラインを下回る伝統的農家も存在しています。農業セクターは重要な雇用・収入の機会であり、食料安全保障と栄養確保の観点からもFVCのボトルネック解消への取組は優先すべき課題です。

このため、ASEANとJICAは「ASEAN-JICA フードバリューチェーン(FVC)プロジェクト」構想につき2018 年2 月より協議を開始しました。同プロジェクトでは、質が高く安全な輸出志向型のFVC 開発を支援するべく、民間とも連携した支援を検討しています。プロジェクトのコンセプトは、ASEAN+3の高級実務者会合において2018 年8 月にASEAN 加盟国からの賛同を得て、10 月の第18 回ASEAN+3農林大臣会合においても確認されました。 本調査はこの協力構想に基づき、円滑な案件形成・実施のために行う情報収集・確認調査です。具体的には、①ASEAN-GAP(生産工程管理)、➁SPS(動植物検疫)、➂広域食産業クラスター・バリューチェーンの形成、について必要な情報を収集し、課題の抽出を行っています。

その他実績

農業・農村開発

フードバリューチェーン

栄養改善

開発コンサルティング

株式会社 国際開発センター