【News】EFRAG/GRIは深い絆で連携強化

GRI配信:2023年11月30日配信

(下記はGRI配信内容をIDCJにより仮訳したもので、注釈もIDCJによります)

GRI-ESRS相互運用性索引(案)が公開され、新たな協力合意に達する

 

過去3年間にわたるEFRAG(※1)とGRIの成功裏のパートナーシップに続き、新たな覚書(MoU)が締結されました。この覚書は、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)とGRIスタンダードとの間で達成された整合性のメリットを実証し、報告企業に対し技術的支援を提供するために両組織が引き続き協力することを約束したものです。

この二つ目の協力合意の最初の具体的成果としてEFRAG基準設定機関(※2)の12月会合での承認のために提出されたGRI-ESRS相互運用性索引 GRI-ESRS Interoperability Index の内容が本日公開されました。このツールは、各々のスタンダードにおける開示要求事項やデータポイントが相互にどう関連しているかを示すもので、既に達成されている高い共通性を明確にし、相互のデジタル・タクソノミー構築のために強固な基盤を築くものです。相互運用性は、重複報告の回避、過度な複雑さの排除を通じユーザーフレンドリーな報告システムを実現します。その結果、ESRSに基づき報告する企業は、GRIスタンダードを「参照」して報告するとみなされ、既にGRIを利用している報告組織は、ESRSの「サステナビリティ・ステートメント」作成過程で、今までの報告努力を活用できるようになります。

 

新たな覚書(MoU)における協力分野は以下の通りです:

 

  • 既存および新たなセクター別スタンダードなどを含むスタンダードおよびガイダンス開発へのさらなる協力。これらにはEUにおける中小企業のための比例報告(※3)、CSRD適用対象の非EU企業のためのスタンダードも含む
  • GRIをESRS研修機関として認定する措置を含め、ESRS報告作成者および利用者のための教育および研修にGRIが提供する教育およびGRI認定サステナビリティ・プロフェッショナル・プログラム(※4)を活用する
  • デジタルXBRLタクソノミーの相互運用性、簡素化されたタグ付けシステム、および両スタンダード間のデジタル対応表

 

協力関係の新たな段階への移行に伴い、2023年9月に発表された共同相互運用性声明 joint interoperability statement に沿って、両者は「3つの共通の基本原則を実施することを決定しました」と述べています:

 

  1. 企業は、自社のプラスのインパクトとマイナスのインパクトに関連した経営努力を公に報告することで、質の高いデータを準備する恩恵を受ける。
  2. 投資家を含むすべての利害関係者は、インパクトに関する標準化された信頼性の高い、比較可能な情報を受け取ることで恩恵を受ける。
  3. グローバルと欧州サステナビリティ報告基準の最適な相互運用性は、報告の負担を最小限に抑えることにより企業やその他の組織にとって有益となる。

 

「EFRAGは、欧州委員会への技術的助言として持続可能性報告基準の策定を任務とするマルチステークホルダー組織として、他の基準設定組織やイニシアティブとの実りある対話を歓迎します。この点において、GRIとの関係は模範的なものであり、私たちはこの技術協力の第二段階を楽しみにしています。」

―EFRAG運営委員会 ハンス・ビュイッセ会長

「GRIとEFRAGのパートナーシップは、新しいEUの基準とGRIスタンダード(欧州内外の多くの企業がインパクト報告に利用している)が密接に整合していることを確保することで、すでに実を結んでいます。基準に関するより深い関与に加え、実践的なリソースやトレーニングを包含するこの新たなMoUは、インパクト報告のための整合的、効率的、かつ実現可能なEUと世界のエコシステムに向けて我々の共同コミットメントを、企業やすべてのステークホルダーに約束するものです。この目的を達成するために、欧州のパートナーとの協力関係を継続することを楽しみにしています。」

―GRI最高経営責任者(CEO) エルコ・ヴァン・デル・エンデン氏

「相互運用性索引は、GRI報告者が、インパクトに関するGRIとESRSの基準間の高度な整合性を確証することを可能にするものであり、私たちの協働の重要な成果物です。過去2年間にわたる我々の技術的協力関係を基盤として、我々はこの新たな合意を歓迎します。」

―GSSB(グローバル・サステナビリティ・スタンダード・ボード) キャロル・アダムス議長

「相互運用性はEUのアプローチの根幹です。当初から、そして将来においても、EFRAGは、質の高いサステナビリティ報告の世界的な進展を踏まえ、それに貢献するとともに、企業の報告負担を最小限にするよう努めています。最近採択されたESRSにより、企業は相互運用可能なエコシステムでサステナビリティ・ステートメントを作成できるようになり、これは良いニュースです。インパクト報告は、欧州のダブル・マテリアリティ・アプローチの基礎となるものであるため、我々の共同の相互運用性索引によって示された高いレベルの共通性を歓迎します。」

―EFRAGサステナビリティ報告書委員会 パトリック・ド・カンブール委員長

first EFRAG-GRI MoU (2021年7月8日署名)の下、両者はESRSを共同構築し、グローバルなコンバージェンスに貢献するために専門知識を共有し、互いの技術専門家グループに参加し、基準設定活動を調整することに合意しました。この協働により、ESRSとGRIスタンダード間の高い相互運用性が達成されました。この新たなMoU(2023年11月30日調印)は、欧州の基準設定主体であるEFRAGとの技術協力・協働という点で更なる一歩を踏み出すものです。

 

※1 欧州財務報告諮問グループ Home – EFRAG で本ニュースを閲覧できます。

※2 EFRAG基準設定機関はEFRAG下部組織である専門委員会であり、欧州委員会に対して報告基準の改訂提言や新規策定提言を行います。

※3 EUにおける中小企業向け比例報告を指し、中小企業が大企業と同じ報告要求事項を満たすことが困難な場合に中小企業に適用される緩和措置を意味します。

※4 GRI – GRI Academy (globalreporting.org) 、 GRI認定研修 | 国際開発センター(IDCJ)SDGs室

 

注意:原文およびGRI-ESRS Interoperability IndexはGRIサイトにてご確認ください。

GRI – EFRAG and GRI enhance collaboration with deeper ties (globalreporting.org)

GRI-ESRS Interoperability Index

なお、IDCJによる仮訳に疑義が生じた場合には必ずGRIホームページの原文をご確認ください。

GRI – News center (globalreporting.org)

掲載:2023年12月4日