GRI CEOによる講演動画

一般財団法人国際開発センターは、国際交流事業の一環として、GRIのCEOであるEelco van der Enden氏の訪日をサポートしました。

同氏は2023年10月11日から21日まで東京に滞在され、金融庁をはじめとする関連政府機関を訪問し、さらに経団連やGCNJ等が主催するセミナーで講演されました。

10月18日には国際開発センターにて、日本のGRI利用者向けの動画の収録にご協力いただきました。

セミナーでご講演されたテーマについて改めて語っていただくと共に、日本のGRI利用者からよくいただく質問について回答していただきました。

それぞれ「1.GRI CEOの講演」、「2. ご質問への回答」として纏めてあります。是非ご覧ください。

Eelco van der Enden氏
写真提供:GRI


1.GRI CEOの講演

日本のGRI利用者に向けたGRIのCEOによる講演の動画です。「サステナビリティ報告の未来」との表題で、GRIスタンダードの普及状況、GRIとISSB、EFRAGとの関係、アジア及び日本における今後のGRIの活動などについてお話していただきました。下の画像をクリックして、約25分間の動画をご視聴ください。


2.ご質問への回答

 

GRIに関して皆様からよくいただく質問に対し、CEOから直接に回答していただきました。それぞれの質問をクリックして、回答の動画をご覧ください。

【ご質問1】 GRIとISSBの相互運用作業はどのように進んでいるのでしょうか。近い将来、両スタンダードは統合されるのでしょうか。

【ご質問2】 GRIとEFRAGはどのように協力していますか。GRIスタンダード2021を使用して報告書を作成することは、ESRS開示の準備になりますか。

【ご質問3】日本では多くの報告書がGRIスタンダードを「参照して」作成されています。任意のスタンダードとはいえ、GRIスタンダードに「準拠して」報告することのメリットは何ですか。

【ご質問4】GRIサービスマークを取得するメリットは何ですか。

【ご質問5】アジアと日本におけるGRIの今後の活動についてお聞かせください。

【News】気候変動インパクトの透明性に向けたスタンダードの設定

GRI配信:2023年11月21日配信

(日本語版はIDCJによる仮訳です)

GRI気候変動およびエネルギースタンダードに向けたコンサルテーション開始

国連気候変動サミット(COP28)の前夜、GRIは、気候変動の影響に関し世界中の組織がより大きな説明責任を果たすための中核となる2つのスタンダード草案を発表した。

気候変動に関する新たなGRI項目別スタンダード案と、GRIエネルギースタンダード更新案について、グローバルに意見を求めるためのパブリックコメント期間が現在進行中である。気候変動に関する新たな情報開示の期待に応えるため、公開草案では、組織が公正な移行の原則を満たす方法で、どのように温室効果ガス(GHG)排出量を削減し、エネルギー消費量を削減できるかに重点が置かれている。

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のグローバルストックテイク(GST)で確認されたように、世界ではパリ協定の目標を達成するめどが立っておらず、行動を急速に加速することが求められている。組織の気候変動目標や誓約の信憑性がますます吟味されるようになっていることを踏まえ、今回の公開草案では、世界の気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の中心目標に組織の行動がどう関連するかを明確に説明するよう求めている。

気候変動スタンダード(草案)により、組織は以下を行うことが可能になる:

  • 気候変動に係る移行と適応に関する計画と行動を完全に開示する
  • 排出削減目標の年次進捗状況を詳細に説明する
  • カーボン・クレジットの使用と温室効果ガス排出削減を正しく説明し透明性を確保

重要な点は、気候変動の社会的側面に関する開示事項を新たに設け、労働者、地域社会、社会的弱者へのインパクトに対する説明責任が強調されていることである。また、気候変動と生物多様性という、相互に関連する項目の間に強い共通性を示していることである。

一方、エネルギースタンダード改訂の公開草案では、組織のエネルギー消費削減、エネルギー効率の達成、再生可能エネルギーの調達方法に焦点が当てられている。これらはすべて、気候変動と闘い、企業がカーボンフットプリントをどのように削減しているかを具体的に示すために不可欠なものとなっている。

IDCJによる注釈:パブリックコメントは2023年11月21日から2024年2月29日までの期間であり、本ニュースの全文およびパブリックコメント募集詳細については、以下GRI URL先にてご確認ください。

GRI – Setting the standard for transparency on climate change impacts (globalreporting.org)

掲載:2023年11月24日

【News】GRI、IFRS財団と連携し「サステナビリティ・イノベーション・ラボ」を設立

GRI配信:2023年11月9日配信

(日本語版はIDCJによる仮訳です)

シンガポールを拠点にアジアから世界にサステナビリティ変革を推進する能力構築・研究プラットフォーム

GRI establishes Sustainability Innovation Lab in coordination with the IFRS Foundation image

GRIは、IFRS財団(IFRS)と共同で、サステナビリティ・イノベーション・ラボ(SIL)を設立することを発表した。SILは、企業がサステナビリティ開示要求事項を満たすことを可能にするために設立され、専門的な開発、トレーニング、実践的なソリューション、革新的な思考を促進する。

SILは、GRIスタンダードとIFRSサステナビリティ開示基準を利用して報告内容を作成する企業の能力を向上させ、グローバルと各地域のパートナーを結集する予定である。アジア太平洋地域の上場企業の81%がGRIスタンダードを利用した報告を行っていること、また同地域が新しい国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)スタンダード導入に強い関心を寄せていることから、SILはシンガポール(11月20日に発足イベントを開催)を拠点とし、アジア全域のオフィスによりサポートされる予定である。

SILを通じて、GRI、ISSB、その他の主要なステークホルダーの代表が協力し、サステナビリティ情報開示の新たなトピックを特定し、コンセプト、ベストプラクティス、データ主導のソリューションを開発する。新たな情報開示要求を求められるサプライチェーンにおけるキャパシティビルディングも提供する。

SILの目標は、ステークホルダーとすべての市場参加者の情報開示のジャーニーを支援し、サステナビリティ報告の要求事項の格差解消を主導し、グローバルレベルでの報告状況のさらなる調和を支援することである。またマルチステークホルダー・ベースで報告企業のために、プロセスの合理化を図る。

世界中で、バリューチェーン全体を通じたサステナビリティ・パフォーマンスを企業が実証することを求める声が高まり、あらゆるステークホルダーからの情報要求にいかに対応するかが、今やビジネスにとって喫緊な課題となっている。一方でサステナビリティに関する能力と専門知識にはギャップが存在する。新たなイノベーション・ラボは、このギャップを埋めることを目的とし、企業による報告アウトプットの合理化と改善を可能にする。我々は、GRIと協力したIFRS財団のこの取り組みに対するパートナーシップ、そして、すべての人々のためにサステナビリティ報告を推進するというコミットメントに感謝している。

GRI最高経営責任者(CEO)、エルコ・ファン・デル・エンデン氏

「IFRS 財団は、GRI と密接に協力し、2 つのトラックで活動を続けている。第 1 に、IFRS サステナビリティ開示基準と GRI スタンダードの双方を利用している企業にとって利用しやすくすること、第 2 に、開示分野におけるイノベーションと知識構築を支援することである。SILは、我々の協力関係を前進させるための大きな手助けとなる。」

エマニュエル・ファベール ISSB議長

「SILは、11月20日にシンガポールで開催されるGRI主催の会議Solutions in Motion, Sustainability in Action.で発足する。主要なステークホルダーが一堂に会し、世界中のオーディエンスがバーチャルで参加できる機会でもあり、エルコ・ファン・デル・エンデンとエマニュエル・ファベールがSILの計画と目的を発表し、討論会に参加する。」

SILは当面の間はGRI ASEANネットワークによって運営され、GRIとIFRS財団の上級代表が率いるステアリング委員会によって管理される。マルチステークホルダーによるワーキンググループは、デジタル・タクソノミ、監査・保証、中小企業、公共部門報告という4つの優先分野に焦点を当て設立される。

(原文は以下GRIサイトで確認できます)

GRI – GRI establishes Sustainability Innovation Lab in coordination with the IFRS Foundation (globalreporting.org)

掲載:2023年11月14日