ACTIVITY REPORT再生支援プロジェクトモニタリング報告(2013年3月)

2013年3月10日―14日、現地モニタリングに行ってきました。私(板倉)にとっては、2010年7月以来の二度目の訪問となります。三井物産環境基金による「小学校植樹活動と未来の環境教育・保全活動指導者つくり」の活動も残りあとわずか。未来の指導者となるべく青年グループ、そしてその受け皿となる小学校の子供たちが、活動を通して、どのように変わったのかとても楽しみです。

まずは、今年度、環境教育ワークショップと校庭植樹を実施した小学校を訪ねました。今年度支援した小学校には、往々にして以下の特徴があります。

つまりは支援を行う上で、とても課題が多い地域と言える。とはいえ、実際に現地を訪問すると子供たちは元気いっぱい。校長先生も若い分、柔軟性と情熱をもって学校教育・運営にあたっている感じを受けました。

今年度の活動支援地域の様子
(広い土地に住居が散在している)

まず始めに訪問したのは、ボス タータラウ小学校。環境教育ワークショップの後、ここでは特にゴミ問題の解決に力を入れている様子です。活動予算がないものの、まずは自分たちで穴をつくりゴミを集め焼却しています。校長先生は今後、ごみ処理場をレンガで囲むなどしてより効率的な処理を目指したいと仰っていました。

次に訪問したのは、タータラウ小学校。校長先生はなんと27歳!今回の活動を通して、子供たちが手を洗う習慣がついたことがうれしいと話してくれました。植えた木を育てるため、水やり当番を決めたり、ゴミ拾い係を決めているとのことです。これらは、お金がなくてもできる活動ですね。

ワットスラッロムチェイ小学校の校長は女性です(年は聞いていませんが、若い方です。)校舎の壁に絵を描き、教室に折り紙を飾るなどして、彼女の人柄がでる、とても印象に残る学校でした。植えた木だけではなく、壁の絵や折り紙を含めて、環境づくりをしているそんな印象を受けます。子供たちが毎日、清潔な服(洗濯された服)を着るかを確認しています。

この日、最後に訪問したのは、フンセン スヴァイチェック小学校。地域の主要小学校です。他の小学校とちがい、生徒が多いためか、活動実施後のアンケートでは、高学年の生徒が木を守るため柵を作ったり水をやっても、低学年の生徒が柵をおったりしていると報告していました。今、森や木の大切さ、清潔な環境の大切さを知ってもらうため、授業に環境教育を取り入れています。

次の日(3月12日)、私たちは、昨年度、支援した小学校のフォローアップを行いました。訪問したのはコックルール小学校とコックベイン小学校です。双方ともに、引き続き、植えた木の水やりやゴミ箱の使用を続けています。いろいろな苦労があったことでしょうが、昨年植えた木も順調に育っているようです。コックベイン小学校では、週に1回ある道徳の時間を使って、自然環境や衛生管理の授業を行っているとのことです。これもまたお金をかけずにできる活動ですね。 

コックルール小学校
(生徒たちは毎日洗濯した制服を着ています)

また子供たちが着ている服たちも、決して新しいものではありませんが、綺麗に洗濯されていることがわかります。子供たちの外見が変わり、そしてそれが全体的に、清潔で明るい雰囲気を醸し出していることに驚きました。

ところで、私たちは昨年度、東京新橋ロータリークラブ、東京レインボーロータリークラブさんの支援を得て、本、本棚や文房具をこれらの学校に提供しました。今回の現地モニタリングでは、本や本棚が今もなお大切に使われていることを確認しました。コックルール小学校では本の貸し出しサービスもやっているようです。コックベイン小学校や、別件で訪問したコックタナオ小学校(同校にも本や本棚を提供した)では、貸し出しはしていますが、私たちが提供した本を大事に扱いたいとのことで、対象外としているそうです。学校によって対応が違うようですね。

チアさんが一声かければ、子供たちがすぐによってきます。みんなで記念撮影をしました。その後、子供たちと話す機会がありました。なんと、多くの子供たち(特にコックルール小学校)がアンコール遺跡のことを知らないというのです。世界中からの旅行者を惹きつける世界遺産が近くにあっても、子供たちは自分たちの住んでいる地域のことや国の歴史を知らない。そのことが、いかに深刻な問題か、私は肌で感じた気がします。 

小学校を訪問した後、これまで環境教育ワークショップや植樹などの活動を担ってきた青年グループの発表会に参加しました。これは、来る3月23日に開催される「関係者との知見共有ワークショップ」(校長や行政機関やその他関係者を集めた活動を総括し知見や教訓を共有する会合)での発表の予行演習を兼ねています。青年グループの代表者数名が、活動の成果を発表しました。思えば、この活動を始めたころ、青年グループのメンバーは、メモを読みながら発表していましたが、今は聴く人と目をあわせながら、自分たちの言葉で語りかけます。堂々としたその振る舞いは3年前とはずいぶん違うものでした。

青年グループからは、環境教育や校庭植樹などある決まった活動を、地域の実情に合わせて進めることができたことが良かったと話がありました。確かに学校の置かれている状況や地域の実情は異なりますが、どの学校でも、苗木の育成や、ゴミ処理・手洗いなどの衛生面で一定の改善が図られ成果を残したことは素晴らしいことです。他方、今年度のように農村地域の小学校での活動においては、子供たちは内気で、打ち解けるのにそれなりの時間や工夫が必要だったようで、「もうちょっと時間があれば、子供たちの理解もより深いものになっていたのかもしれない」という意見もありました。今年度は昨年度よりも3校多く、合計8校を対象に活動を展開したので、ちょっと忙しかったのかもしれませんね。

その他、「グループで活動したため、教育手法や発表内容について意見交換ができたことがよかった」、「自信をもって自分の意見をいえるようになった」、「地図が読めるようになった」などが、良かった点として挙げられました。最後に青年たちは言います、「活動をはじめたときは自分たちが自然環境や衛生について学ぶ側であった。しかし、この3年間の活動を通して、自分たちは教える側に変わった。これからは地域の人々にも注目される立場になる。家族や近所の人々に知見を広め、日常のなかでできることを実践していきたい」と。

青年グループと協議を終えた後、IDCJ職員による恒例の勉強会を開催しました。テーマは「投資について」です。「投資」とは青年グループにとっては、なかなかとっつきにくい言葉かもしれません。しかし広い意味で私たちのやってきた活動も、青年グループや子供たちなど未来に可能性ある人材への「投資」であることを認識してもらったのではないかと考えています。

本活動を支援してくださった三井物産環境基金そして個人の寄付者の方々に、改めて感謝申し上げます。どうもありがとうございました。

活動報告

アンコールの森 再生支援