【News】汚染報告における多感覚的アプローチ
GRI公表:2025年9月5日
以下の内容はIDCJによる仮訳・抜粋です。原文および詳細は、下部のGRI webページよりご確認ください。
大気・土壌汚染・騒音・光・臭気・重大インシデントを包括する新たなGRIスタンダード策定
GRIは現在、「汚染」に関する新たなスタンダードの開発を進めており、報告対象の範囲を大気および土壌への排出、騒音、光、臭気、重大インシデントにまで拡大する予定です。これらの重要な領域は、これまでのサステナビリティ報告において十分な注目を受けてきませんでした。新スタンダードは、項目別の開示事項の範囲を広げることで、汚染に関する透明性の強化を目指します。
この汚染プロジェクトは、GRIの標準設定機関であるGlobal Sustainability Standards Board(GSSB)の委託により実施されており、既存の項目別の開示事項である「305-6:オゾン層破壊物質(ODS)の排出量」「305-7:窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、およびその他の重大な大気排出物」、および「306-3:重大な漏出」を基盤としています。プロジェクトでは、汚染に関連するインパクトをより包括的に捉えるための新たな要求事項が提案される予定です。
汚染は、生物多様性、人間の健康、生活の質を世界的に脅かす要因です。世界保健機関の分析によれば、屋外の大気汚染により年間420万人が早死にしており、土壌汚染も広範に存在しています。土壌の汚染は食料安全保障や生態系サービスを脅かし、騒音や光の汚染は見過ごされがちですが、睡眠障害、心血管疾患、概日リズムの乱れ(体内時計の乱れ)、ウェルビーイングの低下などの社会的影響と関連しています。新スタンダードでは、大気、土壌、騒音、光、臭気、重大インシデントに関する項目別の開示事項を追加することで、汚染の影響をより適切に測定・対応するためのツールを提供します。
2024年12月には、マルチステークホルダー専門家ワーキンググループが発足し、新しい 汚染スタンダードの策定作業を主導しています。
プロジェクトの進展に伴い、世界中のステークホルダーが意見を提出できる機会が設けられます。2026年初頭には、スタンダード草案に対するグローバルなパブリックコメントプロセスが開始される予定です。新しいGRI汚染スタンダードの正式な発行は、2027年半ばを目指しています。
詳しい内容および原文は、以下のGRI webページにてご確認ください。
GRI – A multisensory approach to pollution reporting
掲載:2025年9月11日